Y十M ~柳生忍法帖~(11)レビュー
小説家、山田風太郎の『柳生忍法帖』を原作に、せがわまさきが漫画化した作品。ヤングマガジンに連載され、この巻をもって完結となった。この作品を一言で言えば、復讐劇である。
同じ、山田風太郎の「甲賀忍法帖」を原作にした前作、『バジリスク 〜甲賀忍法帖〜』と同様に、わりかし原作に忠実な流れで展開されたが、個人的には、バジリスクが無駄のないコンパクトな物語を紡いだ中、Y十Mは少し間延びした感もあり、チーム間の個人忍術バトルで盛り上がったバジリスクに比べると、質や面白さの点ではかなり下になったなと思う。
これは、柳生十兵衛三厳という有名な剣豪が登場しながら、誓約からあくまで堀一族の女達の敵討ちの為の黒子に徹するあまり、敵役の会津七本槍とのレベルの高いガチンコバトルが描かれるのが少なく、いかにして腕に心許ない七人の女達に、手練れの七本槍に対して仇を成させるかという、どちらかといえば、知能戦の趣が高かったこと、そして、忍法帖とはいえ、七本槍にしろ三厳にしろ、忍術使いというより、剣などの武芸者であり、忍術の面白さが少なかったこと、あまり意味のない無駄なお色気シーンがわりと多く挟まれ、B級のニオイが増したことなどが挙げられよう。
また、せがわの絵的には、山田作品の世界にはとてもよくマッチするとは思うが、作画にパソコンを導入しており、それ自体は悪くないのだが、背景や、テクスチャーなどにかなりな違和感をもって使われ、キャラが誌面から浮くと同時に、モノクロの単行本では全体に暗く、パソコン導入の恩恵は、作画スピードの短縮という、半ば手抜き感の方が助長しているのが残念ではある。
全11巻で完結となったが、8巻程度でもっとうまく凝縮されたY十Mであれば、バジリスクに迫るぐらいの作品にはなったかもしれない。
ストーリー:★★☆☆☆|画力:★★★☆☆|ホ〜ホケキョ度:★☆☆☆☆
オススメ度:★★☆☆☆(総合:50点)
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